みんなの身体を健康にしたい – 平田産業有限会社

みんなの身体を健康にしたい

合同会社さかもと / 坂元 修一郎  様



▲代表の坂元さん

「お茶で全ての人を健康にしたい」
鹿児島県志布志市で本物のお茶づくりに専念する坂元さんを取材させて頂きました。


▲「かぶせ」をしている様子

●坂元さんの玉露は、他社の玉露と比べて10倍ほどの値段で取引されています。なぜこれ程までに高価なのでしょうか??

 私たちの作るお茶は品質が高く希少価値のある有機栽培の玉露だからです。
日本茶は太平洋側の温暖な地域で栽培されますが、全世界の茶生産量のおよそ1.4%です。さらに玉露はそのうちの0.5%程度と極めて希少な茶です。その玉露の中でも”さかもとの玉露”は、30年以上かけて培った有機土壌で作られています。手塩に掛けて育てた分価格は高くなりますが、できたお茶の成分を測定しながら最高のお茶をお客様に届けるために1番茶しか収穫しません。


▲自社製肥料で有機栽培をしています

●飲む人の健康作りには、なぜこだわった環境が必要なのでしょうか??

 健康作りのためには植物が健康に育つ環境が欠かせません。本物の土づくりとは、土壌微生物が住み続けられる環境のことで、ミネラルや有機物を根が吸収できるサイズまで微生物により分解されることをいいます。微生物環境の悪い土壌では排水性や根の張りも弱く、植物は健康には育ちません。土壌微生物が喜ぶ土づくりこそが病害虫に強い茶樹を作り、健康な茶樹からとれる茶だからこそ人々を健康にできるのです。


▲ぼかし肥料の発酵の様子

●「本物の土づくり」に欠かせないのが平田の油粕なのですね。

 その通りです。 平田の圧搾粕は、他には無いほど油分が豊富に含まれています。そして窒素源が5%と程よく含まれた油脂は燃えるほどのエネルギーを持ち微生物の活性には最強の肥料といえます。現物を見れば良いものはすぐ分かりますし、香りが良いですね。

●坂元さんは自社でぼかし肥も作られているとのことですが、何をどれほど配合しているのですか?

 構成物とその配合割合は企業秘密です(笑)
ただ、平田の油粕の割合を多くするほど良い発酵をするので、多いほど最高の玉露ができることには間違いはありません。先代の昔からどんな作物も味が濃くて旨いものを作るためには油粕を使えと言われてきた通り、私たちの肥料にも平田の菜種油粕は最も欠かせない資材です。


▲摘み取り直前の様子(合同会社さかもとでは、一番茶だけを摘採している)

●高品質な茶葉をつくるきっかけを教えて下さい。

 価格が低迷し輸出を摸索していたときの海外視察がきっかけです。当時のアメリカではフレーバーティーや抹茶が流行り始めていました。スターバックスを始めとしたカフェでは、抹茶やドライフルーツ・ハーブを組み合わせた茶飲料が人気でコーヒーから茶の時代へ変って行くことを教えられました。コーヒーと違いカフェインとテアニンをバランス良く含む玉露は必ず世界のお茶好きに認められると直感しました。国内でペットボトル茶へ変るときだからこそ誰も作れない最高峰の茶づくりに挑戦してみようと思うようになりました。


▲玉露の達人”Mr.サカモト”に会いに来る大勢の外国の方々

●坂元さんの玉露はブランド力が高まりつつあります。ブランドづくりで大事にされていることは何でしょうか。

 「こだわり食品は第一にストーリーが大事だ」と書籍で書かれており、私も今でもそう思っています。しかし、ほとんどの消費者が知り得るのは販売店までで、作る現場のことはほとんどの人は知りません。重要なことは売る人にこそこだわった現場のことを伝えなければストーリーは消費者まで伝わることはないのです。
 私が考えるブランドづくりとは、「客人をもてなし」「現場を見せ」「信用を得る」ことの3点です。海外から訪日するティーショップのオーナーやバイヤ-を迎えて、茶づくりや肥料づくりの深部まで現場を見てもらい、お客様の抱えている問題や質問が解決するまでお付き合いをすることが大事です。ブランドとは自分で作るものではなく、そのようなインフルエンサ-達が惚れ込んで自信を持って売り込むことで作りあげて行くものだと思います。翻訳機を使うのでどれだけ伝わっているかは分かりませんが・・(笑)



●これからのお茶づくりに対する想いをお聞かせください。

 人間は生きるために主食だけではなく、肉やくだもの、嗜好品までいろんなものを食べたいという欲求があります。植物も同様に単に土や水だけではなく、好気発酵した土壌に含まれる成分、脂質やミネラル・ビタミン類などを食べたいと欲しています。化学肥料のように急激に効いて軟弱に太らせるではなく、発酵させた自然の栄養素を与え時間をかけて丈夫に育つことで細胞密度が濃く重くて糖度の高い作物を作ることができます。海外の有機農産物は日本での捉え方と違い、丹精込めた最高のものと捉えられていて、貴重な産物を買い支えるために割り増しの金額を払い購入するものなのです。
 ここで作られた玉露は有名なワインのロマネコンティとよく似ていると言われます。品質が高く、希少性があり、ここの土壌でしか作ることができないからこそ海外のバイヤ-達にささやかれる嬉しい言葉です。
 人が最後に求めるものは長寿と健康です。健康に役立つ本当に身体に良いものなら世界の莫大な医療費を削減できると共に永遠に農業も継続できると思います。そのためにも平田さんの圧搾油粕があっての評価であり、これからもなくてはならない資材です。

【合同会社さかもと】

代表取締役:坂元 修一郎
経営規模:茶4.2ha
全園で有機JASを取得。
年4t生産する茶の9割をドイツなどに輸出する。
平成15年 鹿児島県指導農業士の認定
令和2年 6次産業化部門/経営局長賞(農林水産省)受賞

【合同会社さかもと】〒899-7601 鹿児島県志布志市松山町新橋4517 TEL.099-487-2201