発酵食を台所に取り戻す♪ – 平田産業有限会社

発酵食を台所に取り戻す♪

株式会社 発酵食堂カモシカ / 関 恵 様

京都の嵯峨嵐山にある「発酵食堂カモシカ」さん。“命は命で元気になる”をコンセプトに2014年に創業し、今年の5月で10年目を迎えます。カモシカさんの取組やその背景となる想いを取材しました。


▲微生物たちが醸しています

●お店の名前である「カモシカ」の由来についてお聞かせください。

カモシカは「醸し家」です。“醸す”とは酒や醤油などを醸造すること、つまり発酵を表します。発酵の世界を様々なカタチで味わい尽くす場が発酵食堂カモシカです。


▲カモシカ看板メニュー「発酵8種定食」

●なぜ発酵食堂をオープンされたのですか?

発酵食品の魅力を多くの方に知ってもらうためです。食堂ではお客さまに発酵食を取り入れた食事やスイーツを味わってもらい、発酵と出会う入口になりたい。気軽に人が集まり、日本の伝統的食文化「発酵食」が楽しめる場を目指して、食堂という場を設えました。


▲発酵ラボのようす。マルシェの製品は、発酵ラボで全て作っています。

●発酵マルシェの役割は何ですか?

発酵食への入口があれば出口が必要です。その出口となるのが「マルシェ」です。製造した発酵食を各ご家庭の台所へお届けし、発酵食の大切さを更に深くお伝えする場と考えています。全国からの選りすぐりの発酵食品を紹介、「麹納豆」や「玄米甘酒ドレッシング」などカモシカオリジナルの看板商品も販売しています。


▲ぬか床クリニック・・・ご自宅のぬか床の状態が気になり始めたら、カモシカでお求めのマイぬか床をご持参ください。味見やpH、塩分の測定や、美味しい状態をキープするためのアドバイスをしてくれます。

●発酵ワークショップの役割は何ですか?

カモシカのコンセプトでもある「発酵食を台所に取り戻す♪」を体現する機会です。初めて発酵食を手づくりする方や、新しい発酵食に挑戦したい方を具体的にサポートしています。また、ワークショップの後にも例えば「ぬか床クリニック」という取組では、発酵力が落ちたぬか床の診断や対処法をアドバイスしています。困った時は情報交換をしながら、そして一緒に楽しみながら発酵の世界を広めていきたいと考えています。


▲人気の玄米甘酒ドレッシング

●平田の菜種油はどのような料理や商品に使われていますか

玄米甘酒ドレッシングの原料として使用しています。食堂では、卵焼きのひき油として使っています。どちらも美味しいと好評ですよ。



●なぜ平田の油を選ばれたのでしょうか

平田の油はカモシカを始める前から生協やオーガニックストア等で購入し使っていました。香りが強くなく、化学薬品や添加物不使用の安心感がきっかけでした。どんな料理でも素材の邪魔をせず、どなたにもお勧めできる上質な油ですよ。



 代表の関さんは子供のころ、おばあちゃんが作る梅干しやぬか漬けのおかげで身体の調子が良くなった経験をしました。その記憶が「発酵」の価値を再認識させたそうです。初めは趣味の延長で始めた発酵食品でしたが、東日本大震災をきっかけに「発酵」をテーマにした事業をはじめました。

 関さん曰く、「発酵食を台所に取り戻せることができれば、身体のメンテナンスや病気に対する予防が可能です。さらに、発酵食の魅力は微生物の力で食材が美味しく仕上がることです。出来上がったときのわくわく感や、美味しいご褒美を想像しながら、手作りの発酵食品を楽しんでもらえる。かつて日本の台所がそうであったように、こんなご家庭が今後増えてくれれば嬉しいですね」と笑顔で語ってくれました。

 発酵食の入口となる「食堂」、台所への出口となる「マルシェ」、手づくりを分かりやすく伝える「ワークショップ」、この3つが柱となり、再び「発酵食を台所に取戻せる」日はそう遠くはないと今回の取材を通して確信しました。

【発酵食堂カモシカ】

関 恵 氏
北海道大学経済学部卒業。
大学在学中にヨーテボリー大学政経学部(スウェーデン)に交換留学。
国際医療福祉大学で医療マネジメントの修士号を取得。
IBMビジネスコンサルティングサービスに入社。
第一子出産後、家族のために発酵食を作り始める。
予防医学や日々の食事の大切さが、発酵食をベースにした伝統的和食であることを実感し、発酵食堂カモシカ株式会社を設立。

【発酵食堂カモシカ】〒616-8371 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺若宮町17−1
【HP】 発酵食堂カモシカ詳しくはこちら▶︎